乾燥の効果

干しトウモロコシ

 

干し野菜を作るためにすることは、言ってしまえば太陽に当てて乾燥させることだけです。これで、いつでもさっと取り出して使える保存食としての乾物になるわけです。

 

昔は旬の食材をしっかり収穫して保存し、きちんと使い切るためには欠かせない知恵のひとつだったわけです。もちろん、天日に干せばいいだけですから、塩漬けや砂糖漬けよりも手間がかからない極めて単純な保存法です。

 

乾物には他の保存法とは違った優れた付加価値もあります。世界中でもいろいろな乾物が生まれているのも、そうした理由があるからでしょう。

 

では、実際に何が変わるのでしょうか。天日乾燥させることで旨みや香り、栄養が増すわけですが、生の大根と乾物にした「切り干し大根」を例に比べてみると、生大根と同じ重さの切り干し大根なら、エネルギーは約15倍、食物繊維は約16倍、カルシウムは約23倍にもなるそうですから驚きです。

 

その他のビタミン、ミネラルも増えますから、生大根は乾燥させることで、より栄養価の高い食品に生まれ変わるわけです。野菜を乾燥させると甘くなるのは、水分が抜けて味が凝縮されるためで、また、干すと野菜が温められて、野菜に含まれる酵素のアミラーゼが活性化し、うまみ成分も生成されるようです。

 

更に、でんぷんを分解し、糖(ぶどう糖や麦芽糖など)を作るので、甘みも増すのです。水分が抜けるので身がしまり、風味も増します。