干し野菜の基礎知識

南高梅の天日干し

 

少し前からだと思いますが、テレビやネットで「干し野菜」についての話題が増えてきているようです。何しろ好みの野菜を切って干すだけで、より美味しくなりますし、保存も利くようになるので、野菜を無駄にすることがありません。

 

こうしたことから書店でもレシピブックが登場している程の人気となっています。もちろん「干し野菜」自体は昔から受け継がれている食文化のひとつなのですが、ここ数年、改めて注目されるようになってきているのです。

 

それには震災以降の保存食への関心の高まりが影響しているのかもしれませんし、最近では野菜の価格もかなり高くなっているので、食材をムダなく有効に活用したいということかもしれません。

 

例をとれば梅干が一番わかりやすいかもしれません。梅は天日干しをすると色もどんどん濃くなって、味がまろやかに馴染んでいきます。やっているのは太陽の光に当てることだけですが、実に不思議ではあります。

 

このように梅干に限らず、干し野菜は一般的にとても甘味が増すようになります。大根やニンジンなどなら、おやつ代わりになるほど甘さが出ます。干し椎茸の味や香り、風味も、生の状態では出せないものです。改めて干し野菜の価値が見直されてきているのは当然のことかもしれません。